【東京喰種】感想・レビュー・未読の方向け・おススメ理由について~困難に陥った主人公が幸せになるまでの物語~

東京喰種とは

東京喰種は、石田スイ先生による漫画作品です。石田スイ先生のデビュー作として「週刊ヤングジャンプ」で2011年から2014年まで連載されました。

東京喰種は、人間と喰種の戦いを描いたダークファンタジー漫画です。美しすぎる作画と魅力的なキャラクターが多く登場することから連載が終了した後も多くの方から愛されている名作です。

物語の主人公の金木　研（カネキ　ケン）は彼は大学に通う平凡な大学生でしたが、ある日、かねてから一目惚れしていた神代　利世（カミシロ　リゼ）と楽しく本屋でデートすることになります。ここから彼の人生が大きく変わっていきます。

デートの帰り道、金木は喰種(喰種とは、人間を食らう怪人です。喰種は人間と同じような見た目をしており、パッと見では見分けが尽きません。)として、本性を現した利世に突如襲われ、瀕死の重傷を負います。

その後、利世は事故に巻き込まれ、金木は何とか命からがら生き延び、病院に搬送されます。そして手術が終わり、目を覚ますと金木はあることに気づきます。

今まで何気なく食べてきた食べ物を食べる事ができなくなっているのです。代わりに金木が食欲を示したのは、人肉…

これまでの生活を捨て喰種として生きていくのか？、人間に戻りる道を探すのか？それとも別の道が？

魅力が詰まった世界観

東京喰種は、人間と喰種の戦いを描いたダークファンタジー漫画です。そして、人間と喰種の戦いだけでなく、人間の欲望や葛藤も描いています。喰種は、人間を食らう怪物ですが、同時に、人間と同じように愛情や痛みを感じることができます。金木は、喰種と人間の両方の世界の生き物として、人間と喰種の共存を目指します。

東京喰種は、人間と喰種の戦いを描いたダークファンタジー漫画ですが、人間の欲望や葛藤も描いています。金木は、喰種と人間の両方の世界の生き物として、人間と喰種の共存を目指します。

魅力があふれるキャラクター

• 金木　研（カネキ　ケン）

  本作の主人公であり、優しく、思いやりのある性格ですが、一方で優柔不断であり、自信がなく周囲に遠慮しがちな性格です。人間でありながら喰種に襲われ、半喰種になってしまった主人公です。半喰種となった金木は、人間と喰種の両方の世界の狭間で生きていくことになります。人間と喰種の両方の世界の矛盾に苦しみます。金木は、人間と喰種の共存というテーマに向き合い、成長していく姿が魅力的です。誕生日は12月20日、いて座、血液型はAB型、身長169㎝、体重55㎏、赫子（かぐね）は鱗赫（りんかく）

• 神代　利世（カミシロ　リゼ）

  本作のキーパーソンの一人で金木研を喰種にした原因の一人です。彼女自身も喰種であり、金木とは読書の趣味が一致しており、好意的な態度をとります。表向きはおしとやかで清楚な女性ですが、その本性は自由奔放かつ他を顧みないわがままな性格。誕生日は2月14日、水瓶座、血液型はAB型、身長164㎝（推定）、体重55㎏、赫子（かぐね）は鱗赫（りんかく）

• 霧島　董香（キリシマ　トウカ）

  本作のヒロイン。性格は男勝りであり、ハッキリとした性格です。その反面、優しさも兼ね備えており、時折見せるツンデレ要素に多くの読者が魅力を感じています。喫茶店「あんていく」でアルバイトをしており、金木の先輩でもありました。初めは、金木とそりが合わず度々衝突しますが、金木にとって、かけがえのない存在となり、生き方を決めるきっかけとなった大きな存在です。誕生日は７月１日、蟹座、血液型はO型、身長156㎝、体重45㎏、赫子（かぐね）は羽赫（うかく）。

• 笛口　雛実（フエグチ　ヒナミ）

  本作のヒロインの一人。登場当初は親をCCGによって殺され、孤独になった所を「あんていく」に保護されます。暴力が苦手な性格で心優しく、とても穏やかな少女です。「あんていく」で保護され、金木に面倒を見てもらう内に、金木の人間としての繊細な心に触れ、次第に打ち解け、慕うようになります。彼女自身も物語全体を通して大きく成長しており、その様子は多くの読者の心をつかみました。誕生日は5月21日、双子座、血液型はAB型、身長148㎝、体重40㎏、赫子（かぐね）は鱗赫（りんかく）と甲赫（こうかく）。

• 芳村　功善（ヨシムラ　クゼン）

  本作でも謎の多い人物の一人。喫茶店「あんていく」を営んでおり、店長です。人間も喰種にも分け隔てなく接し、困っている人を助けようとします。。優しく包容力のある性格で、人間と喰種の共存を願っています。彼は、金木研に喰種の生き方を教え、彼の成長を支えました。誕生日、血液型は不明、身長190㎝、体重100㎏、赫子（かぐね）は鱗赫（りんかく）と甲赫（こうかく）。

美しい造形・アートとしての表現

東京喰種は作風がとても美しいという事でも評価されています。そのため連載が終了した後でも、愛され続ける作品であり、Instagramで調べてみると、なんとハッシュタグの件数は21，4万件…‼本当に沢山の方から愛されている作品という事が分かります。

そんな東京喰種の魅力の一つ圧倒的な画力について語っていきたいと思います。

これだけの作画に仕上げるために石田スイ先生は相当な努力をしたことがうかがえます。これだけの画力があるからこそ、東京喰種の魅力がより一層際立って見えるんですね。

東京喰種：REについて

東京喰種は2部構成になっています。1部は先ほどから紹介している「東京喰種」で、こちらは「1部」や「無印（むいん）」と呼ばれたりします。内容は、金木が喰種になってからの物語がテンポよく展開されていきます。金木や霧島といった喰種VS人間が戦う構図がよく見られ、戦闘シーンも多く挙げられます。ただ、物語は1部だけでは完結しません。

その後、物語は1部から2，3年が経過した後の話になります。それが「東京喰種:re」です。「:re」の読み方ですが、一般的には「リ」、「アールイー」と呼ばれていることが多いと思います。私自身も「リ」と読んでいました

この話はこれまでと変わって、人間側の視点から物語が描かれていきます。CCGという喰種から人間を守る組織に所属している「佐々木　琲世」（ササキ　ハイセ）が主人公で物語が展開していきます。

生きることって何

ここからは私自身の感想になるので、興味ない方はスクロールしてください！東京喰種の世界では、生きることについて考えさせらることがあります。それは、主人公の金木研を含む多くのキャラクターは、人間と喰種との二重のアイデンティティを持ちます。彼らは自身の存在や生き方についての矛盾や葛藤を抱えながら、自己受容を模索します。喰種としての欲望や本能と、人間としての情感や道徳的な価値観との間で揺れ動く彼らの姿は、生きる意味を見つける試みであるとも考えられます。

喰種は人間の肉を摂取することで生きる存在ですが、その行為は人間を殺すことを伴います。この対立は、喰種たちが生きるために他者を犠牲にするという道徳的なジレンマを引き起こします。登場人物たちは、喰種としての生存と、他者への共感や倫理的な観点からの生き方との間で苦悩し、生きる意味を模索します。これは現代の社会問題にも通じる部分が多そうです。

喰種たちは人間社会で偽装しながら生活していますが、その真の姿や欲望を他者には理解されづらい存在です。このため、彼らは孤独や孤立感を感じることがあります。一方で、物語では仲間同士の絆や友情が描かれ、喰種同士や人間とのつながりを通じて、生きる意味を見出そうとする場面もあります。

喰種は人間からは異質な存在として扱われ、差別や迫害を受けることがあります。この中で、物語は共感や理解の重要性を探求します。登場人物たちは自身の苦しみや葛藤を他者に伝えることで、互いを理解し、差別や偏見を乗り越えようとします。現代の社会の中でも、差別や偏見といった問題と直面することが多々あります。会社を辞めたいのに社会的な立場が怖くてやめられない、マスクを外したいけど皆がつけてるから外せない、ジェンダー問題等数え始めたらキリがありません。しかし、他人と違う事、周囲の視線、社会的な立場によって意見が言えない中で、自身の苦しみや葛藤をそのままにするのではなく、互いに理解してくれる存在を見つけたり、堂々と自身の意見を発言する勇気であったり、といった生きることに意味を見つけようとする姿は、ただの漫画作品では感じる事ができないように思います。

未読の方へ

一度読んだら忘れられない漫画、衝撃を与えてくれる漫画です。喰種と人間の壮絶な戦い、人間性と喰種のアイデンティティの葛藤、そして深いテーマが織り交ざる物語は、一度読んだら忘れられない魅力があります。東京喰種は、多くの衝撃的な展開が待ち受ける一方で、キャラクターたちの内面の成長や絆、人間の優しさと残酷さを描きます。彼らの苦悩や葛藤は、読者の心に深く刻み込まれ、一緒に泣き、一緒に笑い、一緒に戦いたくなることでしょう。

また、ただのアクションやバトルだけではありません。その奥には人間の心の闇と光、生と死、友情と孤独、共感と差別といった普遍的なテーマが鮮やかに描かれています。ただのアクションやバトルだけではありません。その奥には人間の心の闇と光、生と死、友情と孤独、共感と差別といった普遍的なテーマが鮮やかに描かれています。

東京喰種は、心を震わせ、深く刺激し、そして生きる勇気をくれる作品です。その魅力に包まれたら、あなたの中に新たな世界が広がり、一生忘れられない作品になることを祈っています。

最後に

もしもあなたが次にどんな漫画を読むのか悩んでいたら、東京喰種を手に取ってください。その世界に足を踏み入れれば、決して後悔はしないでしょう。感情の起伏と共に、喰種と人間の魂の戦いに巻き込まれ、自分自身の意味や存在について考えることになります。ぜひ、手に取った方は感想をお聞かせください。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。